子連れハンター

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【水撃ポンプ】空気穴を開ける

みなさんこんにちは、よっしーです😊

昼間はポカポカ、朝夕ヒンヤリ。春ですね〜🍀

 

3年前に自作を始めて、改良を繰り返すうちにどんどんメンテナンスフリーに近づく水撃ポンプ。

今回は、

水撃ポンプに空気穴を開けて、圧力室の水位調整を不要にしました!

という記事です^ ^

 

目次

 

空気が減っていく圧力室

 水撃ポンプを稼働させたままにしておくと、圧力室(私のポンプではペットボトルを使用)内部の水位がどんどん上昇し、空気が無くなっていきます。これは、常に圧力のかかっている圧力室内部の空気が、少しずつ水に溶けていくからです。水はどんどん新しい物がに入れ替わっていきますが、空気は新しい物が入ってこない為、空気は水に溶けるのみ。結果、数ヶ月後には圧力室の中には満タンの水が入っているということになります。

 

 圧力室の中の空気が無いと何が困るかというと、揚水量が激減するのです。そもそも圧力室を設けているのは、水撃時に揚水弁を通過した水を効率良く揚水する為です。圧力室の空気をクッションとすることによって、水撃発生時にしか送られない水が少し均されて送られ、揚水量が増します。

 

 このことについては「圧力室内の空気量と揚水量の関係」として、この夏に実験検証を行う予定です。

 

 今までは自作水撃ポンプの性能が低く、1〜2ヶ月経つと不具合が生じていたため、修理・改良等の為にポンプに手を加える事になり、その際に圧力室の水を抜いていました。しかし、昨秋から稼働している6号機の調子が非常に良いために不具合が生じることが無く、圧力室の空気問題が表面化してきたということです。

 

空気を自動で送りこめるスイング式 送りこめないピストン式

 私の自作水撃ポンプの排水弁にはスイング式とピストン式の2種類があります。

 結論として、スイング式は空気を自動で圧力室へ送りこめますが、ピストン式は送りこめません。

 

 スイング式は揚水弁より低い位置に排水口が設けられます。排水弁が閉じて水撃が発生すると、ポンプ内の圧力は急上昇しその後負圧が生じます。この負圧が生じた時に排水弁が開いて空気を吸い込むのです。吸い込まれた空気は揚水弁の下に留まり、次の水撃発生時に揚水弁を通過して圧力室に入ります。

 ピストン式の場合も排水弁が開くときに空気を吸い込みます。しかし縦向き設計のピストン式では、吸い込んだ空気が揚水弁の下へ達しません。排水弁内部に留まった空気は再び流れ出した水によって排水口から押し出されてしまいます。

 

 ピストン式で空気を圧力室に送りこむ為には、縦向きではない設計にするか揚水弁の下に空気吸い込み口を開けてやる必要があります。

 

 

 水撃ポンプの自作を始めた時に2種類の排水弁について考えていた記事がこちらです↓

sanbikitoossan.hatenablog.com

 

 排水弁の種類によって揚水量やメンテナンス性などが影響してきます。試行錯誤を重ねた結果、今はピストン式を2つ連ねた「6号機」が稼働中です。↓

sanbikitoossan.hatenablog.com

 

 

空気穴は揚水弁の上か下か

 ピストン式で圧力室に空気を送りこむために空気吸い込み口を開けます。この時、空気穴は小さく、揚水弁の下数㎝の位置がベストです。

 

 空気穴が揚水弁の下だった場合、排水弁が開いて水が流れ出ている間は空気穴からも同じように水が流れ出ます。この時、空気穴からの流水量が多いと排水弁からの流水量は減り、排水弁が閉じなくなります。よって空気穴は出来るだけ小さくします。空気穴が小さくて吸い込まれる空気量が少量でも、圧力室で水に溶けていく空気量はとても少ないので十分に補うことができます。

 

 空気穴から吸い込まれた空気は揚水弁の下に留まり、次の水撃発生時に水と一緒に揚水弁を通過して圧力室に入ります。よって空気が留まるスペースを確保するために揚水弁のすぐ下より数㎝下に空気穴を開けるようにします。空気量は微々たるものなので1㎝も空ければ十分でしょう。

 

 この空気穴が揚水弁より上の位置だった場合はどうでしょう。揚水弁より上は圧力室は設けてあるものの、揚水管の一部です。揚水管内は水を揚げる為に常に水圧がかかっています。そこに穴を開けてしまうと常に水が流れ出て揚水しなくなってしまいます。空気を吸い込むこともありません。

 そもそも揚水弁は、揚水弁より上の揚水管内の圧力を下げないために設置します。揚水弁より下は水撃発生を繰り返す事によって圧力がかかったり無くなったり負圧が生じたりします。下側の圧力の方が揚水管側より小さい時には閉まり、大きい時には開くことで水を送り出せるようにしています。

 

6号機に空気穴を開けた結果

 結局どのように6号機を改良したかというと、

 ①揚水弁下に空気が留まるスペースを追加した。

 ②そのスペースに1.5mmの穴を開けた。

というシンプルなものです。

 

 見た目では空気の吸い込まれていくのがほとんど分かりませんでしたが、設置直後には圧力室内に10㎝ほど溜まっていた水が、翌日朝には無くなっていました。

 

 空気穴から流れ出る水の分、揚水量はわずかに減っていると思われますが(見た目の変化は無し)、圧力室内の空気が減る事による揚水量の低下は防ぐことが出来るので、なかなか良かったと思います。

 (改良の動画はこちら↓)


www.youtube.com

 

 空気穴を開けたくなければ

 空気穴無しで圧力室の空気調整を不要にするのであれば、

 ①圧力室内の空気と水が直接触れないようにする

 ②横向きのピストン式排水弁を設計する。

 ③より良いスイング式排水弁を開発する。

等が考えられます。

 

 今考えているのは②。縦向きのピストン式排水弁は弁の重さを利用して開くようにしていますが、横向きにするとスプリング等の力を利用しなければなりません。重りの数で調整出来ないので、ちょうど良い大きさと強さのスプリングを探しているところです。

 良いものが見つかりましたらまた報告いたします。