子連れハンター

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水撃ポンプについて考えたこと2

Googleで「水撃ポンプ」と検索すると、水撃ポンプについて考えたこと - 子連れハンターが1ページ目に入って来るようになりました。しかし、自分で読み返してみると、「まだまだ青かったな」という事もあったので、この記事を書くことにしました。

 

本やブログ、動画などを通して水撃ポンプの自作を始め、経験から得られた事などをまとめておきたいと思います。

 

 

◯各パーツについて

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水槌ポンプの基本構成:
1. 取水口 — 入力管
2. 排水弁であふれ出る水
3. 揚水口 — 揚水管
4. 排水弁
5. 揚水逆止弁
6. 圧力容器

(水槌ポンプ - Wikipedia

 

1 取水口

ゴミが溜まりやすいのでゴミを濾し取る工夫が必要。僕は100均のザルボールセットを球にして取り付けました。プラスチック製ですが、溜まった落ち葉などのゴミが撫でるだけで取れます。

 

  入力管

取水口はゴムホースですが、ゴムホースで落差を下に落とした後は塩ビパイプを繋いでいます。つまり、塩ビパイプのみでいうとほぼ水平です。これがゴムホースのみの場合は水撃圧がホースの弾力で逃げてしまって自動運転出来ませんでした。つまりある程度剛性のある素材を使わなくてはいけません。そしてこの塩ビパイプの長い方が水撃のストロークが長くなります。排水弁が閉じた時の圧力が取水口に向かって抜けていってから再び水が流れ出すからです。その圧力が抜けていくときに排水弁に負圧が発生し、閉じていた排水弁が自動で開きます。なので、入力管が長くないと負圧発生の時間が少なくなったり負圧が小さかったりで、自動運転の為の調整がとてもシビアになるのだと思います。「水撃ポンプ製作ガイドブック」には、「入力管の角度が7度に傾くような長さが1番効率が良い」とありました。

海外の動画の多くはポリエチレンパイプを使用しているようです。多少の屈曲性を持ちながら、水撃圧を逃がさないような素材なのだと思います。

入力管の太さは流水量・水撃圧の大きさに直結します。僕はVU40管にしていますが、いろいろ試してみたい思いはあります。ですが、何せ長いので手軽に購入とはいきませんね。

 

2 及び4  排水弁

1でもかなり触れてしまいましたので、書いていない事だけにします。

排水弁が動かないこと=水撃ポンプが動かないこと!です。自作する時に1番苦労するのがこの排水弁だと思っています。なぜなら、まずは水漏れなく水撃圧を逃がさないようにしなくてはいけません。なおかつ排水弁の可動域と重りやスプリングの調整が出来ていないと自動運転をしてくれません。市販の逆止弁をそのまま使用している方もおられますが、落差や入力管の条件にピッタリ合わないと難しいと思います。更に、市販の逆止弁は高い(T . T)

また、止水のパッキンの役目のゴムが傷みやすかったり、パーツの破損がしやすかったりするのも排水弁です。僕が作った時は水の圧力で何度も壊れました。ここに使用する塩ビのパーツは、肉厚のVPタイプにしておく方がいいと思います。ゴムが傷んだら交換しなくてはいけないので、分解出来るように作るのも苦労する点です。フランジを使用すれば分解可能ですが、フランジが高額なのが悩むところです。

排水弁の排水口の大きさは、大きいほど流水量が増すので水撃圧も増すと考えていました。しかし、その考えは間違いではないにしろ、小さめの方が加工がしやすいですし、落差による水圧が高ければ小さな排水口でも大丈夫なのではないかと今は思っています。

排水弁は弁の稼働の仕方によって2種類に分けられます。上下にスライドさせるピストン式、一端を固定してスイングさせるスイング式、と勝手に名付けました。僕が作った中では、スイング式の方が揚水量が多かったです。可動域の調整はピストン式の方が簡単です。自作されてる方も市販の逆止弁を使用されてる方も、どちらのタイプの使用されていますので、双方に利点があって、使いやすい方を選べばいいのではないかと思います。

 

3  揚水管

これは太い方が水の抵抗が減り、揚水量が増します。太い方が揚水が戻ろうとする水圧が増してしまうのですが、水撃圧がかなり高圧なのか、そのあたりは問題ありません。

通常の散水ホースは内径が15ミリなのですが、13VP管がちょうど収まります。ポンプと揚水管のジョイントがこれで解消されました。また、内径15ミリのホースなら毎分2リットルの揚水に十分な太さです。もっと揚水量が増えても対応できそうな感じがします。

揚水する高さ=揚程、といいますが、揚程が大きくなるほど揚水の戻ろうとする水圧は高くなります。この水圧が高くなるほど揚水量は減ります。つまり揚程が小さい程揚水量が増す…ということなのですが、揚程が小さ過ぎると水撃ポンプは自動運転しません。揚水が戻ろうとする水圧が低いほど、揚水弁を通過する水量は増します。しかし、揚水弁を水が通過するということは水撃圧が揚水弁に逃げているということです。入力管のところでも書きましたが、水撃圧が逃げると負圧の発生が小さくなり、排水弁が閉じたままで止まります。水撃ポンプの運転を始める時は揚水管に水が入っておらず、揚水の水圧が無いので自動運転してくれません。手動で何度か排水弁を開いてやるうちに揚水管に水が入っていき、自動運転可能な水圧が生じて排水弁が自動で開くようになります。本格的な水撃ポンプになると、揚水管にバルブを設置して揚水弁を通過する水量を調節しています。

 

5  揚水弁

揚水弁はまさに逆止弁、揚水の逆流を防ぐ為の弁です。なので市販や自作の逆止弁を使用します。水撃ポンプの自作は情報が少ないですが、手動ポンプを自作されてる方は多いようで、ネットで十分な情報を得ることが出来ます。揚水弁は排水弁ほどではないですが、ゴムの劣化がありますので、メンテナンス時に分解出来るように作る必要があります。こちらもフランジを使用すれば解決しますが、排水弁ほど圧力がかからないので、ベルトや針金などで上手く固定されてる方もおられました。僕もベルトで固定しています。

揚水弁は逆止弁なので、水漏れは揚水量に直結します。また、水漏れで負圧が逃げて排水弁が自動で開かなくなります。絶対に水漏れしないように作らなくてはいけません。ポイントはゴムとの隙間を完全に無くすこと。プラスチック板などを使用する際、穴などのバリは完全に取りましょう。

 

6  圧力容器

これは水撃圧を吸収し、揚水を効率よく送り出す為に大きな役割を果たしています。容器内の空気の量によって揚水量が大きく変化します。今は500mlのペットボトル2本を使用していますが、1.5リットルの物の方が揚水量が増すのではないかと考えています。径の大きな塩ビパイプで自作されてる方もおられますし、発泡ポリウレタンや自転車のチューブなどを塩ビパイプに入れて圧力を吸収させている方もおられます。発泡ポリウレタンは試しましたが、水圧でペチャンコになって交換が必要になりました。ペットボトルは中の水の量も見えるので、今の形に落ち着いています。他にもペットボトルにして良かったところは、中の空気が水に溶けて減ってきた時、キャップがねじ式なので取り外して水を捨てることが出来たことです。

ペットボトルで自作する時、ペットボトルのキャップの外径と30VP管の内径がピッタリです。キャップの外側は凸凹なので、パテやコーキングで埋める必要があります。僕はコーキング剤っぽく固まる接着剤を使用しました。

 

 

 

 

と、以上になります。今回は2ですが、3も書くことになるのか!?新しい発見があればまた書きたいと思います。

 

 

 

 

※この記事作成時に稼働している水撃ポンプはこちら↓

水撃ポンプ 初号機+2号機=3号機 - 子連れハンター